PICKS REPORT vol.34

Weekly Report

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PICKS REPORT vol.34

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【2020年06月05日発行】

1.時事情報

1.1 急増するイーサリアム上のBTCトークン

■時事概要

  • 2020年5月だけで、イーサリアムブロックチェーン上のBTCトークンは、約2,500BTCから約5,000BTC以上に倍増しました。その内訳として、WBTCが約74%、HBTCが約14%となっており、imBTC、sBTC、renBTC、pBTC、TBTCはそれぞれ10%以下となっています。

  • イーサリアムブロックチェーン上でBTCトークンを発行するためには、保有者はBTCを動かせないようにロックする必要があり、ロック総額は4770万ドル(約52億円)とのことです。特にWBTCの成長は著しく、ロック総額は10日間で1,100万ドル(約12億円)から3,500万ドル(約38億円)の3倍となります。

  • 大量に発行されたWBTCのうち68%は、DAIの担保としてMakerにロックされています(Makerは、2020年05月03日にWBTCによる担保を受け入れました)。またMakerには、WBTCのほかにBATやUSDCもロックすることができ、それぞれ0.48%、4.07%となっており、WBTCの7.76%よりもロック率は低くなっています。

  • 補足事項として、発行されたHBTCは90%がHuobiが管理するウォレットに保管されています。imBTCは、広く分散されているものの、上位64個のアドレスがすべてのimBTCの90%を保有しています。sBTCは、上位26個のアドレスが90%を保有しています。WBTCは、上位14個のアドレスが90%を保有しています。

■まとめ

DeFiアプリケーションに対するETHロック率の上昇は、イーサリアムの流通量を減少させ価格にポジティブな影響を与えます。WBTCの発行枚数増加が増加し、MakerやCompoundにロックされている現状は、イーサリアム同様にビットコインの価格にポジティブな影響を与えると考えることができます。
■参照先

Bitcoin on Ethereum: Start of a Surge?

2.プロジェクト情報

2.1 Brave Together

■一言紹介

DeFi市場の「ユーザー数(アドレス数)を確認」できる分析ツールです。

■サービス概要

  • Brave Togetherは、Brave Software社によって開発されているビデオ通話機能です。同機能は、サービスの管理者、インターネットサービスプロバイダ、第三者が通信内容を盗聴できないようにエンドツーエンド暗号化を採用することによってプライバシーとセキュリティを確保しています。

  • Brave Togetherを使用するためには、Brave Software社が開発しているBrave Browserが必要です。また、iOSで参加するためには「Jitsi Meet」と呼ばれるアプリのダウンロードが必要です(Androidは試していません)。

  • 通話を開始するためには、ホストとなる人がBrave Browserを使用して、右記URL(https://together.brave.com/)からページにアクセスを行い、「Go」ボタンをクリックします。

  • アクセス完了後、ホストの画面右下に共有URLとパスワード生成に関する表記がポップアップされるため、必要に応じて設定を行い、参加希望者にURLを共有することで、通話が開始します。

■ユーザー利便性

  • 通信暗号化によるプライバシーとセキュリティの向上

  • 通話開始までのシンプルな操作

  • 参加人数や通話時間は無制限

■ユーザーリスク/課題

  • 録画機能の未実装

  • Brave Browserのダウンロードが必須

■まとめ

実際に使用してみましたが、とにかくシンプルなインターフェースでストレスなく使用できました。公式では、参加人数や通話時間が無制限と発表されているものの、15~20人以上が通話に参加した際にどれくらいの遅延が発生するのかは注目になります。

■参照先

Dune Analytics

2.2 mStable

■一言紹介

複数の「ステーブルコインを統合」することで既存のリスクを分散することができるプロトコルです。

■サービス概要

  • mStableは、ステーブルコインを統合することで、貸し出しとスワップの利便性を向上させるためのプロトコルです。mStableプロトコルを使用することで、米ドルにペグされたmUSDを発行することができます。mUSDは、USDT、USDC、TUSD、DAIによって裏付けられたステーブルコインです。

  • 現在発行されているステーブルコインには以下のような3つの問題があり、mUSDはそれらの問題を解決するとのことです。(1)同一ペグ資産の大幅な断片化(2)ユーザー需要に対する供給不足(3)資本損失の可能性によるユーザーリスク

  • mUSD保有者は、mStable SAVEコントラクトにアクセスすることで利回りを受け取ることができ、今後その他のユーティリティも追加予定とのことです。

■ユーザー利便性

  • 複数のステーブルコイン統合による価格安定化

  • ステーブルコインの統合によるリスク分散

  • 金利の獲得(2重のメリット)

■ユーザーリスク/課題

  • 米ドルへの依存

■まとめ

価格の安定化に焦点を当てたステーブルコインをバスケットにして、さらなる安定化を目指したmUSDの発想は非常に面白いと感じます。単一のプロトコルに依存するのは、いくらステーブルコインといえど不安はあります。また、ETHをMakerにロックすることでDAIと金利を受け取り、そのDAIをmUSD発行のためのロックに使用することで金利を受け取ることができる「金利の2重取り」は、この業界ならではのメリットだと考えています。

■参照先

mStable Now Live on Mainnet

3.トークン情報

3.1 Gnosis(GNO/OWL)

■一言紹介

GNOは「プラットフォームの継続的な使用を促進」するために発行された暗号資産です。

■概要

  • Gnosisは、イーサリアムブロックチェーン上に構築された分散型予測市場プラットフォームを通じてリソースの分散を目的としたプロジェクトです。プロジェクトのネイティブトークンとして「GNO」が発行されます。

  • GNOは、スマートコントラクトにロックすることで、「OWL(旧名:WIZ)」と呼ばれるトークンを獲得するために発行された暗号資産です。OWLは、ユーザーの参入障壁を下げ、継続的なプラットフォームの使用を促進することを目的に発行されます。

  • OWLは、Gnosisプロトコル上に構築されるサービスやアプリケーション上で1ドル相当の価値があり、具体的な使用例として、(1)イーサリアムブロックチェーン上で発行されたトークンの保管とアプリケーションとの連携が可能なGnosis Safeアプリケーション上で発生するETH手数料をOWLを使用して支払うことができます。(2)Gnosisプロトコル上に構築された分散型取引所であるDutchX上の取引手数料をOWLを使用して支払うことができます。(3)Gnosisプロトコル上に構築される予測市場で取引を行う際の手数料をOWLを使用して支払うことができます。

  • OWLは、GNOトークンをスマートコントラクトにロックすることで獲得できると説明しました。その獲得枚数は、GNOのロック期間と枚数によって変化します。ロック期間は30日から365日の間で選択することができ、最初のロック時に30%のOWLを獲得することができます。残りの70%はロック期間に応じて順に分配されます。

  • OWLは、平均月間使用量の20倍の発行量を目標としており、手数料として使用されたOWLは、供給量の調整を目的として焼却されます。

  • Gnosisプロトコル上に構築されたサービスやアプリケーションが増加することによって、ユーザーのGNOロック率が上昇し、価値の上昇に繋がると考えることができます。また、GNO保有者はOWLを獲得することによって、安価に提供されるプロダクトを使用することができます。

■トークン用途

  • GNO:OWNトークンの発行用途。

  • OWN:手数料支払い用途。

■参照先

公式

ホワイトペーパー

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筆者

https://twitter.com/imai_ryouji

CoinPicks

https://twitter.com/CoinPicks_

バックナンバー

PICKS REPORT vol.29:

https://coinpicks.substack.com/p/picks-report-vol29

・PICKS REPORT vol.30:

https://coinpicks.substack.com/p/picks-report-vol30

・PICKS REPORT vol.31:

https://coinpicks.substack.com/p/picks-report-vol31

・PICKS REPORT vol.32:

https://coinpicks.substack.com/p/picks-report-vol32

・PICKS REPORT vol.33:

https://coinpicks.substack.com/p/picks-report-vol33

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