PICKS REPORT vol.23

Lesson3:イーサリアムの「状態」について掘り下げて理解する

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

今回は、イーサリアムの「状態」について専門用語を省き、事例を使いながら説明しています。このレポートを読んで頂くことで、イーサリアムを学習するにあたって度々出てくる「状態」について簡潔に知ることができます。

どうぞご覧下さい。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

PICKS REPORT vol.23

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【2019年12月27日発行】

当レポートでは、ブロックチェーンおよび暗号通貨について、より理解を深めて頂くために、専門用語を使用せず、難解な数字も使用せず、身近な事例に例えながら、国内メディアやサロンでは、なかなか知ることができない内容を配信していくことを目的としています。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

目次

1.イーサリアムの「状態」について掘り下げて理解する

  1.1 状態(ステート)について理解する

  1.2 状態の構成について理解する

  1.3 まとめ

2.一言メモ
  2.1 米国|2020年の暗号通貨法

  2.2 イラン|暗号通貨の発行を提案

  2.3 Ethereum|ハードフォームについて

  2.4 EY|ERC20トークンテストサービスを公開

  2.5 Monerium|世界初のクロスボーダーユーロ取引

  2.6 Synthetix|ガバナンスの分散化計画

  2.7 Ethereum2.0|validator keyとwithdrawal key

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

………………………………………

1.イーサリアムの「状態」について掘り下げて理解する

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

マスタリングイーサリアムには、「状態(ステート)」について以下のような説明があります。

イーサリアムは「状態マシン」にコードをロードして、ロードされたコードを実行した後に、「状態変化」の結果をブロックチェーンに記録(格納)します。結果をブロックチェーン上に記録することで、データの「状態推移」を追跡することができます。

いまいちイメージが湧かず理解しきれないのではないかと思います。

1.1 状態(ステート)について理解する

簡単に説明すると、ブロックチェーン上に記録されている「状態」を確認することで、トランザクションによって変化した情報の結果を知ることができます。トランザクションには、AからBに対するデータの送信情報が含まれており、データの保有者がAからBに変化したという結果を確認することができます。

また、データの保有者がBに変化したという情報は、過去の履歴(状態)が変化した結果を表しています。つまり、データの保有者がBになる以前の保有者であったAの履歴を追跡することができます。この状態の変化は、イーサリアム特有の「状態マシン」によって行われます。

下記画像は、Etherscanと呼ばれるイーサリアムの様々なデータを確認することができるページをスクリーンショットしたものです。こちらのデータから、状態変化を視覚的に確認することができます。

下記画像の赤枠部分はデータの送信者の状態変化を表しています。つまり、ETHを受信者に送信したことで保有の状態が変化した結果が記録されています。また、Nonce(ナンス)という記載が確認できますが、ナンスとは送信されたトランザクションの数が表されています。

下記画像の赤枠部分はデータの受信者の状態変化を表しています。つまり、ETHが送信者から受信したことで保有の状態が変化した結果が記録されています。

下記画像の赤枠部分は状態変化を承認したマイニング従事者が手数料を受け取った事による状態変化を表しています。

このようにして、状態変化の確認と追跡が可能になっています。

1.2 状態の構成について理解する

「状態」とは、トランザクションによって変化した情報の結果であることが分かりました。また、状態にはWorld state(ワールド状態)とAccount state(アカウント状態)の2つの概念があります。

ここも簡単に説明したいと思います。

ワールド状態の中には、ルートハッシュと呼ばれるデータが含まれており、アカウントステートの中に含まれるトランザクションハッシュまで確認することができます。トランザクションハッシュを確認することで、関連するnonce(ナンス)とbalance(バランス)を確認することができます。ナンスとは、その際に送信された累積トランザクション数を表しており、バランスとは、そのアカウントが所有するETHの量を表しています。

以下の図は、ホワイトペーパーに記載されているワールド状態とアカウント状態の関係図をツリー状に表したものになります。これを「マークル・パトリシアツリー」と呼びます。

上図の「STATE_ROOT」の部分がワールド状態のルートハッシュを表しています。ルートハッシュからツリー状に「NONCE、BALANCE、CODEHASH、STORAGE_ROOT」から構成されるアカウント状態を表しています。そして、アカウント状態のSTORAGE_ROOTの中にトランザクションハッシュが含まれています。

つまり、ワールド状態にはアカウント状態の重要なデータの中身が保存されており、ワールド状態のルートハッシュを確認することで、確実にアカウント状態のデータにアクセスできるということです。この仕組みによって効率的にデータの保存ができています。

1.3 まとめ

今回は、状態と状態の構成について説明しました。

「状態」とは、トランザクションによって変化した情報の結果を指しており、その結果はワールド状態とアカウント状態によって構成されているということです。この2つの構成によって、効率的なデータの保存が行われているということです。

………………………………………

2.一言メモ

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

□ 米国|2020年の暗号通貨法

米国下院で暗号通貨部門の規制を明確にするための、法案が提出されました。法案は、暗号通貨の分類と管轄を以下のように分類しています。

  • crypto-commodities(CFTC)

  • crypto-currencies(FinCEN)

  • crypto-securities(SEC)

Reference

https://www.theblockcrypto.com/post/51220/crypto-currency-act-of-2020-us-lawmaker-introduces-draft-bill-to-bring-regulatory-clarity

□ イラン|暗号通貨の発行を提案

イランのハッサン・ロウハニ大統領は、米ドルへの依存を減らし、市場変動の影響を乗り切るためのイスラム教に基づいた、暗号通貨の発行を提案しました。

Reference

https://apnews.com/b8bab8c75cff1580d28e03c7536a25f8

□ Ethereum|ハードフォームについて

Ethereumは、2020年1月1日頃に「ミュアー・グレイシャー」へのアップデートを控えています(ブロック番号:9,200,000)。

これは、12月上旬に行われた「イスタンブール」へのハードフォークの際に、ディフィカルティボムによる影響計算に間違いがあった事で、再ハードフォークが行われることとなりました。

Reference

https://blog.ethereum.org/2019/12/23/ethereum-muir-glacier-upgrade-announcement/

□ EY|ERC20トークンテストサービスを公開

EYは、契約、注文、履行、請求、支払いまでのビジネスライフサイクル全体を支援しています。EY OpsChainを使用してブロックチェーンでビジネスを行い分析することができます。EYは、ブロックチェーンベースのトランザクションの税および監査要件を管理する方法も学ぶことができます。

EYと連携することで、企業は、新しいエコシステムの規制と税務の複雑さを処理しながら、新しいテクノロジーのメリットについて体験する機会を得ることができます。

Reference

https://blockchain.ey.com/marketing

□ Monerium|世界初のクロスボーダーユーロ取引

2019年12月10日、アイスランドのブロックチェーン開発企業Monerium(モネリウム)と、Tradeshift(トレードシフト)は、イーサリアムネットワークで世界初のクロスボーダーユーロ取引を実施しました。

ブロックチェーンを利用した決済には、「リアルタイム決済」「低送金手数料」「国際送金」「ユーザーによる資金の直接管理と所有権」「オープンスタンダード」と「プログラマビリティによる自動化」というメリットがあり、ブロックチェーン決済が分散型台帳のアプリケーションにとっての可能性を示しています。

Reference

https://monerium.com/monerium/2019/12/18/worlds-first-cross-border-transaction-using-euro-on-blockchain.html

□ Synthetix|ガバナンスの分散化計画

2020年の重点分野として、財団の提案としてガバナンスの分散化計画をコミュニティに提案しています。

可能な限り、コミュニティの合意が得られるような仕組みにすることが目的です。

Reference

https://blog.synthetix.io/transition-to-decentralised-governance/

□ Ethereum2.0|validator keyとwithdrawal key

Ethereum2.0のステーキング デポジットを作成する際には、預金コントラクトの情報を生成するために2つのキー、「validator key」と「withdrawal key」が使用されます。

validator keyは、バリデータが実行するすべてのオンチェーン操作に署名するために使用されます。これらには、ブロックの提案と他のブロックの証明が含まれます。

withdrawal keyは、検証者の検証後に資金を転送するための署名に使用されます。

Reference

https://www.attestant.io/posts/exploring-staking-keys/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

質問やお問い合わせはこちら

CoinPicks - 質問箱 -

https://docs.google.com/forms/d/1PRpZSyrCYEA5vYoGFXNqZVFHQHrOI86_wlQOkmucupA/edit

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□Twitter

https://twitter.com/imai_ryouji

□ CoinPicks 公式

https://coinpicks.org/

□CoinPicks Lab

https://coinpicks.substack.com/

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

『CoinPicks』内コンテンツの著作権は、すべて発行元に帰属します。本メルマガの内容の大部分または全部を無断転載、転送、再編集など行なうことはお控えください。

また、商用目的ではない個人ブログやSNSでの引用は、出典を明記いただければ、問題ございません。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

PICKS REPORT vol.23

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【2019年12月27日発行】