PICKS REPORT vol.21

Weekly Report

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

今回は、「イーサリアムとブロックチェーンについて」専門用語を省き、事例を使いながら説明しています。このレポートを読んで頂くことで、イーサリアムとは何か。ブロックチェーンとは何か。そしてブロックチェーンがどのような技術で構成されているのかについて、全部理解して頂けます。

どうぞご覧下さい。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

PICKS REPORT vol.21

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【2019年12月13日発行】

当レポートでは、ブロックチェーンおよび暗号通貨について、より理解を深めて頂くために、専門用語を使用せず、難解な数字も使用せず、身近な事例に例えながら、国内メディアやサロンでは、なかなか知ることができない内容を配信していくことを目的としています。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

目次

1.イーサリアムとブロックチェーンについて 
  1.1 イーサリアムとは

  1.2 ブロックチェーンとは

  1.3 ブロックチェーンの構成要素

  1.4 まとめ

2.一言メモ
  2.1 Crypto M&A: Barbarians on the Blockchain

  2.2 オフチェーンガバナンスとオンチェーンガバナンス

  2.3 キノコと土管で考えるワイブロ(Why Blockchain)

  2.4 「信頼」の源泉はどこにある?

  2.5 Nayuta Wallet公開

  2.6 BINANCE、OKEX、Huobi|中国規制当局との関係

  2.7 DECPの開発は2020年後半の可能性

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

………………………………………

1.イーサリアムとブロックチェーンについて 

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

1.1 イーサリアムとは

そもそもイーサリアムとは何でしょうか。

イーサリアムとは「ワールドコンピュータである」というのは、よく聞く回答ではないでしょうか。

では、ワールドコンピュータとは一体何でしょうか。

ワールドコンピュータとは、その名前の通り、24時間 365日世界中に存在するコンピューターを同士を繋げ、どの国にも規制や管理されることなく、コンピューターの持ち主によって、全てのデータが安全に管理することを可能にします。つまり、世界そのものが「1つのコンピューター」になるシステムであると言えます。

イーサリアムは、あらゆるものをデジタル化することで、世界そのものを1つのコンピューターにすることを目的としたプラットフォームであると言えます。物凄く壮大なスケールを掲げているのです。

ここでは、あえてイーサリアムを構築する様々なテクノロジー(要素)については割愛します。各要素について噛み砕いているだけで莫大な量になりそうなので、当レポートでは内容を絞り込みます。

1.2 ブロックチェーンとは

イーサリアムとは何かについては、大枠理解頂けたかと思います。しかし、イーサリアムについて学んでいくとブロックチェーンという言葉をよく聞くようになります。では、一体ブロックチェーンとは何でしょうか。また、イーサリアムとの関係性は何でしょうか。様々な疑問が湧いてくるでしょう。

前述したように、イーサリアムとはあらゆるデータを個人が自由に誰の規制や管理を受けることなく、繋げることができるプラットフォームでした。例えば、個人が保有しているチケットをイーサリアムプラットフォーム上でデータ化したとします。データ化することで好きなルール、好きな価格、好きな人とチケットの交換をすることができます。

これがメルカリや楽天であれば、そこにはルールがあり、ルールに従って交換する必要があります。

当然、自由度の高いプラットフォームの方が使い勝手はいいです。しかし、ルールがなければトラブルが発生するのが人間です。例えば、AとBがチケットを交換したとします。確かにチケットを交換をしたはずなのに、Bさんがチケットをもらってないと言い出しました。チケットを交換したという証拠もなければ、見ている人もいないという困った状況が発生します。

これがメルカリや楽天であれば、ルールによってしっかり管理され、トラブルの発生が最小限に抑えられます。それならば、メルカリや楽天を使った方が良いというのが正論です。ここで自由度の高いプラットフォームにブロックチェーンが大活躍します。

つまり、ブロックチェーンとは、決められたルール(決定事項)を保存しておく場所のようなものです。そして、イーサリアムにとってブロックチェーンは、ワールドコンピュータを維持する為になくてはならない存在であると言えます。また、イーサリアムは決められたルールを参会者全員で守る為の仕組みも提供しているのです。

1.3 ブロックチェーンの構成要素

前述したように、ブロックチェーンとは決められたルール(決定事項)を保存しておく場所のようなものでした。そのブロックチェーンにも、いくつか種類があり、様々な技術の組み合わせによって構成されています。

今回は、イーサリアムとの関係性が強い「パブリックブロックチェーン」の構成要素に焦点を当てて説明したいと思います。構成要素を知ることで、ブロックチェーンがどのような特性を持ちあわせているか、より詳しく知ることができると思います。

パブリックブロックチェーンの要素は以下になります。

①P2P(ピアツーピア)ネットワーク
②トランザクションメッセージ
③コンセンサスルール
④状態マシン
⑤ブロック
⑥インセンティブスキーム
⑦コンセンサスアルゴリズム

当然の話、何が何だかわかりませんね。

しっかり噛み砕いて説明したいと思います。

①P2P(ピアツーピア)ネットワーク

ピアツーピアネットワークとは、「コンピューター同士の通信方式の1つ」です。他にもクライアントサーバ方式という通信方式があり、こちらの方が多くの方にとって馴染み深いと言えるのではないでしょうか。

簡単に説明すると、多くの人が使用しているLINEやFacebookは、友人とメッセージや電話をする際に、LINE社やFacebook社などの会社(管理者)のサーバーを経由して行われています。この通信手段をクライアントサーバ方式と言います。

一方で、LINE社やFacebook社などのサーバーを経由させずに、メッセージや電話ができる通信手段をピアツーピアネットワークと言います。

パブリックブロックチェーンの構成要素に、ピアツーピアネットワークが採用されていることによって、規制や管理を受けることなくコミュニケーションを取ることができる基盤があるということです。

②トランザクションメッセージ

トランザクションメッセージとは、コミュニケーションの内容です。その中身には、宛先を含む様々なデータが含まれており、今回はコミュニケーションを行う為に必要なデータが多く含まれていると覚えておいてください。

③コンセンサスルール

コンセンサスルールとは、ブロックチェーンの中で決められたルールです。まさしく、ブロックチェーンとは決められたルール(決定事項)を保存しておく場所であると説明しました。それがブロックチェーンでは、コンセンサスルールと呼ばれています。

コンセンサスは「合意」という意味があり、自由度の高いブロックチェーンだからこそ、ルールに基づいて、皆の合意を得る必要があるということを覚えておいて下さい。

④状態マシン

状態マシンとは、トランザクションメッセージの内容について、皆で決めたコンセンサスルールを確認した上で処理を行います。

確認が問題なく完了すると、トランザクション内の様々なデータの内容が更新されます。

⑤ブロック

ブロックとは、前述したトランザクションメッセージを、1つに格納する入れ物の役割を持ちます。

ブロックチェーンでは、皆で決めたコンセンサスルールに従ってトランザクションメッセージを確認する為、確認できるスピードに限界があります。そこで、トランザクションメッセージを1つの大きなブロックに格納した後に、ブロックに要点をまとめた情報を記載してあげることで、より早く内容を確認することができます。

そして、ブロックやトランザクションメッセージの内容は、勝手に第三者に変更されないように、暗号化されているのです。

⑥インセンティブスキーム

インセンティブスキームとは、その言葉の通り報酬が発生する仕組みです。誰の何の為の報酬であるのかについて説明します。

ブロックチェーンには、様々な貴重なデータがトランザクションメッセージの中に含まれており、皆で決めたコンセンサスルールによって、安全性が確認された上でコミュニケーションが行われていました。

しかし、その仕組みを利用して悪事を働くことで、利益を得ようとする人間は必ず現れます。悪事を防止する為にコンセンサスルールが決められているのですが、それでも100%悪意を持った人間を排除することはできません。それは、悪事を働くことで得られる利益の方が大きいからに他なりません。

そこで、インセンティブスキームによって悪事を働くことで得られる利益よりも、コンセンサスルールに基づいてブロックチェーンを健全に運営していくことの方が利益が大きくなるような仕組みを作っています。

つまり、インセンティブスキームとは、ブロックチェーンへの悪意ある攻撃から守る為に設計されており、健全な運営に貢献している人間に対して用意されたインセンティブであるということです。

⑦コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムとは、コンセンサスルールやインセンティブスキームを含む、ブロックチェーンを健全に運営していく為のルールの中核部分です。

以上が、パブリックブロックチェーンの構成要素です。

1.4 まとめ

パブリックブロックチェーンとは、コンセンサスアルゴリズムの要素であるコンセンサスルールとインセンティブスキームに基づいて、ピアツーピアネットワーク方式によって個人同士のトランザクションメッセージをブロックにまとめ、状態マシンによって健全に処理とコミュニケーションを可能にするインフラであると理解することができます。

Reference

マスタリング・イーサリアム

………………………………………

2.一言メモ

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

□ Crypto M&A: Barbarians on the Blockchain

  • 2013年から2019年にかけて、350件の仮想通貨およびブロックチェーン企業のM&Aが行われています。M&Aは、2018年に160件行われており、2019年には90~100件行われています。

  • M&Aの活動は不安定で、価格と業界のセンチメントと正の相関があるようです。毎月の活動は、価格と業界の注目が急上昇したため、2018年初頭にピークに達しました。 

  • M&Aの50%以上は、投資ファンドと取引所によって行われています。投資ファンドと取引所の動きが活発であるとのことです。中でもCoinbaseは活発な動きを見せており、 16件の買収を行いました。

  • 参考情報として、BINANCEは3件、Krakenは7件、Coinsquareは5件の買収を行っています。

Reference

https://research.tokendata.io/2019/11/24/barbarians-on-the-blockchain/

□オフチェーンガバナンスとオンチェーンガバナンス

  • ブロックチェーンガバナンスには、オンチェーンガバナンスとオフチェーンガバナンスの2種類があります。

  • BitcoinやEthereumは、オフチェーンガバナンスを採用しており、DecredやTezosはオンチェーンガバナンスを採用しています。

  • オフチェーンガバナンスは、オンチェーンガバナンスの意思決定に関する非効率性を解決します。しかし、オンチェーンガバナンスにも問題はあり、それが偏ったトークンホルダーへの優位性です。

  • コインメトリクスでは、オンチェーンガバナンスを採用しているMakerDAO、Decred、Tezosについて分析をしています。

  • オンチェーンガバナンスの歴史は、オフチェーンガバナンスよりも歴史が浅く、今後もアップデートをしていくでしょう。

Reference

https://coinmetrics.substack.com/p/coin-metrics-state-of-the-network-768

キノコと土管で考えるワイブロ(Why Blockchain)

  • ブロックチェーン上でプロジェクトを構築する意味を考える為に非常に有用な記事でした。

  • 新たなテクノロジーとして、既存のビジネスがブロックチェーン上での再構築を検討する中で、「それ本当にブロックチェーンでやる意味ある?」という意見は当然出てきます。

  • その意見に対する答えの1つとして、非常に説得力のある角度から書かれた両記事でした。

Reference

https://blog.blockchain.bitflyer.com/n/nbd6d1c23c4ce

「信頼」の源泉はどこにある?

  • ブロックチェーンにおける「信頼」は単純な一つの原理で生まれるわけではなく、そこには3つのレベルがあると考えられます。

  • その3つのレベルというのが、トランザクション、ステート、ブロックに分けられるというものです。

  • WHY ブロックチェーンに引き続き、両記事でした。

Reference

https://blog.blockchain.bitflyer.com/n/ncb546a708970

Nayuta Wallet公開

  • フルノードとSPVモードを切り替えることが可能なNayuta Walletが公開されました。また、Nayuta Walletはビットコインフルノードが搭載された初めてのライトニングモバイルウォレットです。一般的なユーザーは通常のライトニングウォレットとして使える一方で、開発者やパワーユーザーはフルノードを動かすことが可能とのことです。

  • このアプリは、オープンベータ版であり 、資金を失う可能性があるため、失っても問題のない少額での利用することを推奨しています。

  • ウォッチタワーと呼ばれる、Lightningチャネルがクローズしていないかどうかを監視する機能もデフォルトで実装されています。また、他のウォッチタワーを追加することも可能であり、1つのウォレットで複数の監視も可能です。

Reference

https://nayuta.co/ja/wallet/

BINANCE、OKEX、Huobi|中国規制当局との関係

OKEXとHuobiは、中国の規制当局との関係をBINANCEと比較して良好に保っているとの分析。しかし、BINANCEの軽いフットワークとイノベーションこそが大きな評価価値を生み出しているという話です。

Reference

□ DECPの開発は2020年後半の可能性

中国の金融メディアCaijingは、中央銀行が深センと蘇州で完全なデジタル人民元のテストを開始する可能性があると予測しています。

テストには、国有パートナーの参加も含まれる可能性があります。国有パートナーとは、中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行の「ビッグ4」商業銀行と、China Telecom、China Mobile、China Unicomという三つの通信会社で構成されています。

DECPと呼ばれるこのデジタル通貨を、交通機関、教育機関、医療機関などの現実世界のシナリオに適用すると、Caijing氏は述べています。パートナー銀行は、DCEPの独自のトライアルシナリオを設計できます。

報告書によると、2つのパイロットフェーズの初期段階は小規模で、2019年末に開始され、2020年後半には深圳での大規模な取り組みが予定されています。すべてがうまくいけば、パイロットフェーズの後に完全なDCEPがリリースされることが期待されます。

レポートによると、2つのパイロットフェーズの最初は小規模で、2019年末に開始されます。2番目は2020年後半の深Shenzhenでの大規模な取り組みです。すべてがうまくいけば、パイロットのすぐ後にDCEPの完全な打ち上げが予想されます。

中央銀行は、2019年6月にFacebook主導のLibraプロジェクトが発表されたこともあり、DCEPの開発を急いでいると考えられます。Libraは、主要通貨と国債のバスケットに固定されている可能性が高いが、他の選択肢も検討されています。

Caijingによれば、DCEPはLibraと類似している点が多々ありますが、技術的な詳細は明記されていません。この報告書は、デジタル通貨が物理的な現金(銀行用語ではM0)に代替するように設計され、「携帯性と匿名性のニーズを満たす」とPBoCの役人は述べています。

Reference

https://www.coindesk.com/chinas-central-bank-likely-to-pilot-digital-currency-in-cities-of-shenzhen-and-suzhou-report

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

質問やお問い合わせはこちら

CoinPicks - 質問箱 -

https://docs.google.com/forms/d/1PRpZSyrCYEA5vYoGFXNqZVFHQHrOI86_wlQOkmucupA/edit

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□Twitter

https://twitter.com/imai_ryouji

□ CoinPicks 公式

https://coinpicks.org/

□CoinPicks Lab

https://coinpicks.substack.com/

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

『CoinPicks』内コンテンツの著作権は、すべて発行元に帰属します。本メルマガの内容の大部分または全部を無断転載、転送、再編集など行なうことはお控えください。

また、商用目的ではない個人ブログやSNSでの引用は、出典を明記いただければ、問題ございません。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - -- - -

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

PICKS REPORT vol.21

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【2019年12月13日発行】